3,000 ~ 4,000 馬力のパワーを持ち何百倍もの大きさの船をけん引するタグボート。そんな海上の力持ちを操るのは、船員である“海の匠” たち。彼らの仕事を紹介します。
お仕事紹介船員業務神原タグマリンサービス株式会社の船員業務についてご紹介します。
“海上の力持ち”タグボートと“海の匠”乗組員
3,000~4,000馬力のパワーで何百倍もの大きさの船をけん引するタグボート。
神原タグマリンサービスでは8隻を所有しています。そんな“海上の力持ち”を操るのは、
海の上で働く約50人の乗組員。安全を最優先に、常石・福山だけでなく、日本中の海で活躍しています。
曳航業務 海上クレーンを動かすタグボート
自力で航行できない大型構造物の海上輸送を担う曳航(えいこう)業務。
グループ会社の常石造船の
新造船工程では、大型ブロックを運搬する海上クレーンの移動をサポートしています。
業務の流れ
- 1常石工場まで曳航、係留
- 海上クレーンを安定した姿勢に保ちながら低速航行し、早めに他船を避けるなどして安全を確保。
常石工場到着後は、係留場所までエスコートする。 - 2ブロック吊り上げ時の
姿勢保持 - 約1,000トンの大型ブロックを吊り上げる際に、
その重さや風でクレーンが傾かないよう、後ろから引っ張るなどして姿勢保持をサポート。 - 3搭載場所まで移動
- 大きなブロックを吊った状態の海上クレーンを、
ゆっくりと船台やドックまで移動させる。
海上クレーンが定位置に着きアンカーを打つまで、 海上クレーンを押したり引いたりして姿勢保持。 - 4搭載業務の完了後、
次の仕事地へ曳航 - 約4時間の本船への搭載作業を見守る。
搭載完了後は、停泊地や次の仕事地まで曳航する。
ハーバータグ業務 進水式を支えるタグボート
大小の船舶を安全かつ円滑に岸壁に離接岸させるのがハーバータグの役割。
常石造船常石工場ではその一つに、新造船の「進水式」のサポート業務があります。
業務の流れ
- 1タグボートのエンジンスタート
- 2作業員を進水する本船へ
- 岸壁からドックマスター(進水する本船の監督者)と進水作業員を送り届ける。
- 3配置へ移動し、待機
- 船台後方の海上で、
3隻のタグボートがスタンバイ。 - 3いざ進水!
- ドックマスターの号令で、 本船の左右側面へ移動し、押し方開始!! 眼の前に進水船船体の大きな壁が迫る、 緊張の瞬間。
- 5タグラインを取る
- 無事に進水を確認したら、タグライン (タグボートと本船をつなぐロープ)を取り、 本船を曳く準備が完了。
- 6曳航して、岸壁へ
- 陸上で本船を支えていた腹盤木(はらばんぎ)など
を取り除いた後、桟橋へ接岸するため、本船を曳航。風や潮の具合に応じて微調整を繰り返す。 - 7撤収
- 接岸後、再び進水作業員を乗せて
出発地の岸壁に戻り、作業を完了。
困難な状況下でも操船は楽しい。その魅力を若手に伝えたい
三嶋新助船長
この道30年のベテランである三嶋船長でも「進水式のサポートは、緊張する」。降りてくる速度、風、潮、そうした条件が毎回異なるうえ、2ヵ月に一度しかない作業だからだ。「ここは水深が浅いうえ、進水の進路上にマリーナの建物(駐機場)もあり、困難な条件が重なっている場所。船台がもう少し海側に向いていれば安心なんですが」。そう笑う三嶋船長は、2017年に就航したタグボート“うつみ”の新建造の際に長年の経験に基づいた提案も行っている。「操舵室背面の窓を従来より大きくしてもらった。後ろがよく見えるようになり、操船の安全性向上につながっています」。船員のなり手が少ない現状について、「大変なこともあるけれど、私が30年も続けられたのは、操船するのが楽しいから。若い人にもこの感覚を知ってもらえると嬉しいですね」と、船乗りの魅力を若い世代にも伝えたいと考えている。
海の匠たちからのメッセージ
船員の魅力を体験しよう!インターンシップ
インターンシップでの乗船体験の一日
- 06:30 起床
- 07:00 朝食
- 07:45 スタンバイ
- 08:00 10号ドック出渠作業
- 10:00 12号ドック入渠作業
- 11:30 昼食
- 12:00 休憩
- 13:00 塗装作業
- 15:00 作業終了
- 16:00
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乗船した”うつみ”は2016年に就航した新造船
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ライフジャケットは、命を守る大切なアイテムです
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船内の個室で生活
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疑問はなんでも船長に相談
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船長の操船を見学
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海が好き、船が好き
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どデカい船(今回は8万トンクラス)の出港をサポート
ロープワークを体験
使ったシーツを一緒に洗濯
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先輩船員が基礎から指導
気分は、一等機関士
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タグって、最高だね!!
神原タグマリンサービス株式会社
採用担当:船舶管理部 海務課 藤川雅晴
〒720-0396 広島県福山市沼隈町常石1083番地(常石造船修繕工場ビル4F)
採用情報
募集職種・募集要項
船員募集【船員】
業務内容 | 船員として曳船に乗船し、海上クレーン、台船曳航、ハーバータグ作業等 |
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対象 | 高卒以上、海技免状取得者(見込み者も含む) |
勤務地 | 本船居住 |
給 与 | 約20~40万円(手取額 経験等を勘案して決定) |
賞 与 | 年2回(業績による) |
加入保険等 | 船員保険 厚生年金 雇用保険 労災保険 退職金制度 |
福利厚生 | 社宅・独身寮あり |
そ の 他 | 家族、残業その他諸手当 |
募集期間 | 随時 |
提出種類 | 成績証明書(新卒)、履歴書、職務経歴書(中途応募者) |
選考方法 | 書類、面接 |
必要資格 | 海技免状5級以上(新卒者除く) |
採用担当者 | 船舶管理部 海務課 藤川 |
連 絡 先 | 084-987-1392 |
ml_ktm_kanri_kaimu@tsuneishi.com |
福利厚生
独身寮
- 寮費
- 月額5,500円(光熱費、食費別途)
- 設備
- 全室個室、エアコン
- 特徴
-
■共有スペース
- 1F ラウンジ、食堂、テラス、多目的ルーム、スタディスペース、レジャースペース、トレーニングルーム、大浴場
- 2F~6F 共有LDK、ランドリー、ゲストルーム(2Fのみ)
- 室内面積 18.4㎡(約11畳)、バルコニー 1.5×3.0m
- 2F~5F:ユニットシャワー+トイレ+洗面
- 6F:ユニットバス(3点式)+洗面
- 共通:エアコン、照明、カーテン、クローゼット、机、椅子、ベッド、靴入
- 入退管理システム、監視カメラ、宅配メールボックス、寮室インターホン、エレベーター、寮室検針対応(電気、水道、温水)
※2017年3月新築
社宅
13棟26戸の住宅群のせとの森住宅は、ステンレス鏡面仕上げの屋根、外壁で、
時間や天候により様々な表情をなし、地域の印象を明るく変化させる社宅になっています。
進水式を待つ船のような外観が目を引くせとテラスは、38戸ある集合住宅です。
若い従業員に魅力的な社宅は、地域に貢献し、地域の人たちが集まる場でありたいとの願いが込められています。
- 3DK 月額6,000円(別途 衛生費 1,600円/月)
- 4DK 月額8,000円(別途 衛生費 1,600円/月)
- 3LDK 月額29,500円(共益費/駐車場1台分含む)
各種保険制度
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険
共済会提携施設
ベラビスタ スパ&マリーナ 尾道
クラブ活動
クラブ活動は、文化・体育活動を通じて社員の情操と体位の向上を図ることを目的としたもので、 アフターファイブ、余暇を使って各クラブでは盛んに活動がおこなわれています。
- 常石マリンクラブ
- 硬式テニス部
- フットボール(サッカー)部
- 軟式野球部
- 囲碁部
- ソフトボール部
- フットサルクラブ
- 合気道部
- 水泳部
- バドミントンクラブ
選考の流れ
-
本社(福山市)にて
お問い合わせ先
採用担当:船舶管理部 海務課 藤川雅晴
TEL:084-987-1392
Mail:ml_ktm_kanri_kaimu@tsuneishi.com
住所:〒720-0396
広島県福山市沼隈町常石1083 番地
(常石造船修繕工場ビル4F)
海の状態や気象状況などを乗り越えることで経験値を高める
津田次郎船長
乗組員の中では数少ない中堅世代である津田船長は、学生時代に「船乗りになりたい」という夢を抱き、この仕事を志望した。曳航する海上クレーンや大型構造物は、大きさや形状が毎回異なるため、それぞれに適した曳航方法を身に付けることが大事と話す。「いい仕事をするには、事前準備や下調べが不可欠。海は天候や波が多様で二度と同じ状態はなく、さまざまな条件での仕事をやり遂げることで自分たちの経験値が高まっていきます。特に神原タグマリンサービスでは作業が多岐にわたっているので、“この会社で仕事ができれば一人前”といえるでしょう」。船長歴8年目を迎え、後輩の指導も重視。「海上職は安全第一。まずは自分の身を守り、同時に仲間の身も守るという、海の男の鉄則を伝えたい。自身の経験を後輩により多く伝えるために、今の自分の仕事があると考えています」。